「介護で忙しくて掃除にまで手が回らない」
「介護の掃除ってどこまでやってくれるの？」
「ヘルパーさんにどこまで掃除をお願いできるのかな」

介護で時間も体力も消耗してしまい、家の掃除まで手が回らないという悩みは少なくありません。ヘルパーにどこまでお願いしていいのか悩む方もいるでしょう。

この記事では、訪問介護で利用できる掃除の範囲や、ヘルパーに依頼できないこと、さらに自費サービスを上手に活用する方法まで詳しく解説します。

介護の負担を少しでも軽くして快適な生活を送りたいと考えている方は、ぜひ参考にしてください。

訪問介護の掃除サービスとは？「身体介護」と「生活援助」の違い

訪問介護の掃除は、「身体介護」と「生活援助」の区分によって対応できる範囲が異なります。

それぞれの違いやサポート例を解説しましょう。

「身体介護」とは？身体に触れる介護の例

身体介護は、「利用者の身体に直接触れて行う介護」です。

着替えや入浴、排せつの介助などが相当し、一見、掃除とは関係ないように思えますが、身体介護に「付随する」形で掃除が行われます。

例えば、以下のようなサポートが対象です。

・食事の介助中に食べこぼしをしてしまった際の床の拭き取り

・排せつの介助後に汚れてしまったトイレ周りの簡単な清掃　など

利用者の衛生状態を保つために必要最低限の範囲で、尊厳と健康を守ることを目的とした行為です。

「生活援助」とは？日常生活のサポートの例

生活援助は、「身体介護以外の日常生活のサポート全般」で、調理、洗濯、掃除などです。

しかし、この掃除にも明確なルールが存在し、

生活援助としての掃除は、利用者が日常生活を送る上で「必要不可欠」と判断される範囲に限られます。具体的には、利用者の居室やリビングなど、利用者が主に過ごす空間の日常的な清掃（掃除機がけ、拭き掃除など）、利用者が使用するトイレや浴室の日常的な清掃、ゴミ出しなどが相当します。

ヘルパーは、あくまで利用者の「自立支援」を目的として掃除を行います。家全体をきれいにするような「家事代行」とは性質が異なる点にご留意ください。

ヘルパーが「やってはいけない」掃除の範囲とは？（介護保険NG行為）

介護保険サービスは、公的な制度であり、その利用には明確なルールがあります。

ここでは、ヘルパーが介護保険サービスとして「やってはいけない」とされている掃除の範囲について、具体例を挙げて解説します。

同居家族の分はNG！介護保険が適用されないケース

同居のご家族がいる場合、その方の分の掃除は介護保険の対象外となります。 

介護保険は、「利用者本人」の自立支援を目的としています。例えば、ご家族の部屋の掃除やご家族が使う食器の洗浄、ご家族の洗濯物の処理などは、ヘルパーが行うことはできません。

もし家族の分の家事までヘルパーが行ってしまうと、介護保険の公平性が保たれないと判断されます。たとえ高齢の夫婦であっても、介護保険の適用はあくまで介護を必要とするご本人の生活範囲に限られることを理解しておきましょう。

日常生活に必要のない掃除はNG！専門的な清掃や大掃除の範囲

介護保険サービスにおける「掃除」は、あくまで「日常生活に必要な範囲」に限られます。以下のような掃除は、介護保険サービスでは対応できません。

	NG項目	理由
家族関連	利用者以外の家族の部屋や物品の掃除	家族のプライベートな空間や物品は対象外
	来客用の部屋の掃除	日常的に利用者が使用しない部屋は対象外
屋外・車両	庭の手入れ、草むしり、庭木の剪定	屋外の作業は原則として介護保険の対象外
	自家用車の清掃	日常生活に直接関係ないと判断される
専門清掃	窓のサッシ、網戸の清掃	日常的な拭き掃除の範囲を超える専門作業
	換気扇の分解洗浄、エアコン内部の清掃	専門的な知識や道具が必要
	家電製品の内部清掃（冷蔵庫整理、洗濯槽掃除など）	分解を伴う専門的な作業は対象外
特別作業	家具の移動や配置換え、大掃除	日常的な清掃とは異なる特別な作業
	ペットの世話に関する掃除	動物の排泄物処理やケージ掃除は対象外

これらの作業はヘルパーが負うべき責任の範囲を超えるだけでなく、特別な道具や知識を要するため、介護保険の適用外とされています。

ヘルパーは、「利用者の日常的な生活空間の清潔を保つための掃除を担う」ことを覚えておきましょう。

介護保険だけでは足りない…そんな時に役立つ「自費サービス」

「介護保険でできる掃除の範囲だと、全然足りない…」

「もっと細かいところまでキレイにしたいんだけど…」

このような介護保険サービスではカバーしきれない掃除のニーズに応えてくれるのが、自費サービスです。

自費サービスは、介護保険の枠にとらわれず利用者の個別のニーズに柔軟に対応できます。

介護保険外のサービスは「細かな要望」に応えられる

自費サービスは、利用者の多様な要望に柔軟に対応できるメリットがあります。

具体例を紹介しましょう。

• 同居家族がいるけれど、家の掃除まで手が回らないので手伝ってほしい
• 介護保険ではできない、窓拭きや庭の手入れをお願いしたい
• 普段なかなかできない、レンジフードや水回りの念入りな掃除をしてほしい
• 大掃除を手伝ってほしい
• 模様替えのついでに、部屋全体を整理整頓したい

このように、介護保険では難しい「かゆいところに手が届く」サービスが提供できるのが自費サービスです。

『小田急くらしサポート』は、介護保険サービスだけではカバーしきれない、きめ細やかな掃除や家事のサポートも承っています。お客様一人ひとりの状況やニーズに合わせて、最適なプランをご提案しているので、お悩みの方はお気軽にご相談ください。

自費サービスを活用するメリットとは？

自費サービスを利用するメリットは、多岐にわたります。

単に家がきれいになるだけでなく、介護に関わる全ての人の生活の質の向上を目指せます。

• 介護者の負担軽減：掃除や家事の負担が減ることで、介護疲れによるストレスも緩和され、心にゆとりが生まれます。
• 住環境の改善と衛生面の向上：常に清潔な環境で過ごせるため、利用者の快適性が向上し、衛生的で健康的な生活を送れます。高齢者の場合は、清潔な環境を保つことで感染症予防にも繋がります。
• 時間の有効活用：掃除にかかっていた時間を、利用者とのコミュニケーションや趣味の時間、ご自身の休息の時間に充てられるようになり介護する側とされる側、双方に充実した時間を生み出します。
• 専門的な対応：経験豊富なスタッフが、効率的かつ丁寧に掃除を行います。プロの視点と技術で、普段手の届かない場所や、掃除が難しい場所もきれいに仕上げます。
• オーダーメイドのサービス：自分の希望に合わせて、サービスの内容や頻度、時間を細かく調整できます。必要な時に必要な分だけ利用できるため、無駄がありません。

介護者の負担の軽減はもちろんのこと、心の余裕や快適な空間づくりによって充実した生活を目指せます。

介護の掃除でよくあるQ&A

介護における“掃除”に関するよくある質問をまとめました。具体的なイメージを持っていただけるよう、わかりやすく解説します。

Q1. 訪問介護で掃除はどのくらいの頻度で頼めますか？

A. 訪問介護の頻度は、利用者の介護度やケアプランによって異なります。

生活援助としての掃除は、週に1～2回程度が一般的です。しかし、利用者の状態や生活環境によっては、それ以上の頻度が必要になることも。その際は、ケアマネジャーと相談し、ケアプランの見直しを検討しましょう。

自費サービスであれば、利用者の希望に応じて頻度を自由に設定できるため、より柔軟な対応が可能です。

Q2. 料金はどのくらいかかりますか？

A. 介護保険サービスの場合と、自費サービスの場合で料金体系が異なります。どちらを利用するかによって負担額が変わってくるため、事前に確認しておきましょう。

サービスの種類	負担割合	料金の決まり方
介護保険サービス	1割〜3割負担（所得に応じて変動）	国が定めた単位数に基づく地域・要介護度で変動
自費サービス	全額自己負担（10割負担）	事業者が独自に設定時間・内容・人数で変動

具体的な料金を知りたい場合は、介護保険サービスなら担当のケアマネジャーに、自費サービスなら事業者へご相談ください。

Q3. ヘルパーに「これお願いしてもいい？」と直接頼んでもいいの？

A. 基本的に、ヘルパーに直接ケアプランにない内容のサービスを依頼することはできません。

ヘルパーの業務は、ケアプランに基づいて行われるため、ケアプラン外の依頼は法令違反となる可能性があります。追加で依頼したい掃除がある場合は、まずケアマネジャーに相談してください。ケアマネジャーが利用者の状況と必要性を判断し、ケアプランの変更や自費サービスの利用を検討します。

Q4. 自費サービスは掃除以外の家事も頼めますか？

A. はい、「小田急くらしサポート」では、掃除以外のさまざまな家事も承ることが可能です。

例えば、以下のようなサービスを提供しています。

• 買い物代行：日常の食料品や日用品の買い物
• 調理：利用者の食事の準備（作り置きも可能）
• 洗濯：洗濯物の洗い・干し・取り込み・畳み・収納
• 付き添い：通院や外出時の付き添い
• 話し相手：高齢者にとって孤独感の解消に繋がるコミュニケーション

自費サービスは、介護保険サービスでは対応しきれない細やかなニーズも対応可能です。

介護中の掃除もプロの力を借りて快適に暮らそう！

介護中の掃除は、身体的にも精神的にも負担になりがちです。介護保険サービスには利用範囲の制限がありますが、自費サービスを活用することで、その負担を軽減できます。

『小田急くらしサポート』では、介護保険サービスでは行き届かない部分もお客様のニーズに合わせてきめ細かくサポートいたします。

介護中の掃除についてお悩みの方は、ぜひお気軽にご相談ください。