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先祖はどこまで遡れる?専門家に聞いた調べ方と実例

家系図

監修・取材協力:株式会社トラディション・ブルー(家系図の調査・作成/2007年設立・全国対応)

編集:くらしのタスケ編集部(小田急くらしサポート/小田急電鉄グループ) 小田急沿線の暮らしに根ざした情報をお届けしています。

仏壇やお墓の前で、刻まれた名前を見て、ふと手が止まることはないでしょうか。「この人たちは、どんな人生を送ってきたのだろう」と思う瞬間です。


先祖を調べてみたいと思っても、何から始めればいいのか、どこまで分かるものなのか、自分でできるのか分からず、そのままになっている方は少なくありません。


そこで今回は、家系図の調査・作成を専門に行っているプロに、先祖調査の実情を聞きました。お話を伺ったのは、株式会社トラディション・ブルー(2007年8月設立、全国対応)。長年にわたり家系図の調査・作成を行ってきた専門家です。どこまで遡れるのか、どこでつまずくのか、現場のリアルをそのままお届けします。

なぜ「先祖」を調べるのか

墓地

ー そもそも、先祖調査を考える方は、どのような思いを持っているのでしょうか。


「一番多いのは、自分のルーツを知りたいという思いです。それに加えて、家族の歴史をきちんと残したい、後世に伝えたいという方も多いですね。先祖を調べることは、単に昔の名前を知ることではありません。自分がどこから来たのかを理解し、家族とのつながりを再確認することでもあります。私はこれを精神的な相続だと考えています。」

「先祖調査」と「家系図」はどう違う?

ー 先祖調査と家系図作成は、同じものと考えていいのでしょうか。


「混同されがちですが、少し違います。先祖調査は、先祖の名前や出身地だけでなく、人柄や生活の様子まで含めて調べることです。一方、家系図は、それらの情報を整理し、誰が見ても分かる形に図式化したものです。調べることと、まとめることは別物なんですね。」

先祖はどこまで遡れる?

ー 実際には、どこまで遡れるものなのでしょうか。


「基本は戸籍調査で明治時代までです。条件がそろえば江戸幕末まで遡れることもあります。ただし、それ以前になると戸籍では分からず、過去帳や墓石、位牌、本家の記録、文献などを使って調査することになります。」
「まれに、室町時代や鎌倉時代まで繋がるケースもあります。武家や名主、寺院に関わる家であれば系図などが残されている場合も多く、調査は比較的スムーズです。」

調査が途中で止まるのはなぜ?

ー 途中で調査が止まってしまう方が多いのは、なぜでしょうか。


「理由はいくつかあります。まず、現在につながる近代的な日本の戸籍制度は明治以降のものなので、それ以前の情報は戸籍からは得られません。また、戦争や災害、明治維新後の廃仏毀釈の影響で、資料が焼失・散逸しているケースもあります。」


「さらに、戸籍の取得は直系血族およびその配偶者に限られるため、法的な制限にぶつかることもあります。そして、名前や地名の表記ゆれもひとつの障壁となります。」

プロはどんな資料で調べる?

ー 具体的には、どのような資料を使って調べていくのですか。


「戸籍謄本や除籍、改製原戸籍が出発点になります。そこから位牌、墓石、墓地、過去帳などの記録を確認します。さらに、郷土史料、旧土地台帳、分限帳、藩史資料、古文書、古地図、写真や遺物なども重要な手がかりになります。これらを突き合わせ、多角的なアプローチから慎重に判断していきます。」

調査の進め方(プロの手順)

ー 調査の進め方には、決まった順序があるのでしょうか。


「はい。特別な近道はなく、地道な作業の積み重ねです。おおまかには、次のような順序で進めます。」

  • STEP1 自分・親・親戚から話を聞き、分かっている情報を整理する。
  • STEP2 現在の本籍地を確認し、そこから古い戸籍を取得する。
  • STEP3 菩提寺や本家、墓石・位牌・過去帳などを調べる。
  • STEP4 郷土史料・古地図・古文書・文献などを確認する(図書館・郷土資料館・公文書館など)。また必要に応じて、伝承・近隣地域との照合などを行う。

【実例】こんなケースがありました

武士の家系図

ー 実際の調査では、どのような成功例・困難例がありますか。


「成功例としては、戸籍を集めたうえで、本家と菩提寺の協力を得ることができ、スムーズに進んだことで、十数代にわたる家系図を作成できたケースがあります。一方で、古い戸籍に記載された本籍地を訪れ、本家や菩提寺の特定に奮闘したものの、最終的には戸籍調査のみで家系図を作成した例もあります。」


「ほかにも、印象に残っている事例がいくつかあります。」


戦国武将や藩士につながった例

「戸籍や寺院の記録をたどった結果、戦国武将や江戸時代の藩士につながっていたという例があります。名家だけでなく、庄屋や豪農の家系を調べると、歴史上の出来事に関わった証拠が見つかることもあります。」

海外の日系移民につながった例

「戸籍から、明治期に海外へ移住した親族の存在が判明し、ブラジルやハワイの日系移民につながった例があります。その後、現地の子孫とオンラインで交流が始まり、国際的な家族のつながりを取り戻したという話もありました。」

口伝と記録が食い違っていた例


「武士の家系だと伝えられていたものの、実際には農民だったというケースもあります。逆に、平凡な農家だと思っていた家が、豪農の記録につながったこともあります。口伝と記録が食い違うことは、珍しくありません。」

よくある落とし穴と、誤解しやすいポイント

ー 実際の調査で、特に多い「落とし穴」は何でしょうか。


「よくあるのは、名前の読みや字体の違いによる誤認です。旧字体と新字体、異体字、旧仮名遣いの違いによって、同じ人物を別人と判断してしまうケースは、少なくないですね。」


「戸籍だけでなく、過去帳や古文書では、記録した人の癖や誤記、省略もあります。『源兵衛』が『玄兵衛』になっていたり、『権左衛門』が『権左衛』と書かれていたりすることもあります。」


ー 戸籍が消えている場合は、もう調べられないのでしょうか。


「必ずしもそうではありません。同じ家族の別の系統の戸籍が残っている場合があります。そのため、別系統の戸籍を集められるかどうかを検討します。」


ー 本籍地が分からなくなっているケースもありますよね。


「はい。その場合は、自治体が公開している合併の沿革資料や地名変更一覧を調べます。また、役所の戸籍担当窓口で、旧本籍地から現在の管轄を確認できる場合もあります。」


ー インターネットだけで調べるのは難しいですか。


「注意が必要です。インターネット上にあるサイトや掲示板、SNS、個人ブログには、出典不明の情報や憶測で書かれているような情報が多く混在し、正確性に欠けることが多くあります。さらに、墓石や位牌などの記録は、当然デジタル化されていないため、インターネットだけでは十分な情報を集めることは困難です。」

費用と時間の目安

調査段階進め方期間の目安費用の目安
戸籍の収集専門家に依頼1〜2か月ほど3〜4万円程度
戸籍の収集自分で行う2〜3か月ほど1〜2万円程度
現地調査(墓石・位牌・過去帳など)専門家に依頼2か月ほど交通費+50万円以上
現地調査(墓石・位牌・過去帳など)自分で行う3か月ほど実費負担
家系図としてまとめる専門家に依頼2か月ほど50万円以上が目安
家系図としてまとめる自分で作成半年〜1年ほど実費のみ

※上記は専門家(トラディション・ブルー)にうかがった一般的な目安です。調査内容や対象地域によって変わります。

ー 追加費用が発生することはありますか。


「基本的には、事前に取り決めた内容以外で追加料金が発生することはありません。ただし、調査が想定以上に広い地域に及んだ場合などには、遠隔地割増料金が発生することがあります。その場合も、必ず事前に協議を行います。」

専門家に頼むときの見極め

家系図作成サービス

ー どのような点に注意して業者を選ぶべきでしょうか。


「意図的に誇張した系図を作る業者やエビデンスのない系図、現地に行かず電話・手紙のやりとりだけで判断する業者には注意が必要です。家系図調査は、現地・現物・現実を見る三現主義が基本です。実際に墓石や菩提寺を確認し、本家にも足を運び、すべての資料や口伝を一つひとつ照合する姿勢が重要です。」

まず、何から始めればいい?

ー 最後に、これから始める方へのアドバイスをお願いします。


「最初にやるべきことは、戸籍の収集、そして本家の特定と交流です。慌てず、楽しみながら進めることが何より大切だと思います。」


お話を聞くと、戸籍の収集や家族へのヒアリングまでは、自分でも始められそうです。一方で、江戸以前に遡ろうとすると、墓石や過去帳、位牌などの判読・分析が必要になり、専門知識が欠かせません。実際、依頼される方の中には、自分でやって限界を感じた、どう進めればいいか分からなくなった、という方も多くいらっしゃいます。


まずは自分で少し調べてみて、難しいと感じた段階で相談する、という選択肢もあります。いきなり知らない業者に頼むのは不安、という声も少なくありません。


そうしたときの選び方のひとつとして、地域に根ざした窓口を入口にする方法があります。たとえば小田急くらしサポートの家系図作成サービスでは、まず相談を受けたうえで、調査・作成を行う専門家におつなぎする形をとっています。小田急電鉄グループが間に入ることで、はじめての方でも安心して相談しやすいのが特徴です。どこに頼めばよいか迷ったときの、ひとつの選択肢として知っておくとよいかもしれません。

よくある質問(FAQ)

Q. 戸籍はどこまで遡れますか?

A. 古い戸籍が取得できた場合、江戸幕末ごろに生きていた先祖の情報まで得られることがあります。基本は明治期まで、条件がそろえば江戸幕末まで、というのが目安です。

Q. 戸籍が消えていたら、もう調べられませんか?

A. 必ずしもそうではありません。墓石や位牌、過去帳などで調べる方法があります。また、同じ家族の別系統の戸籍が残っている場合もあります。

Q. 古い本籍地が分からないときは、どうすればよいですか?

A. 親や親族に聞く、相続の記録(不動産登記や遺産分割時の書類など)から探す、といった方法があります。住所が特定できない場合は、自治体が公開する合併の沿革資料や地名変更一覧、役所の戸籍担当窓口での確認も手がかりになります。なお、2024年3月から始まった戸籍の広域交付により、複数の本籍地の戸籍を最寄りの窓口でまとめて請求できるようになりました(出典:法務省)。ただし、古い除籍謄本などを遡って大量に請求する場合、窓口での待ち時間が長くなったり、後日交付になったりすることがあるため注意が必要です。

Q. 伝承と史料が食い違ったときは、どちらを信じればよいですか?

A. 基本的には、史料を優先します。口伝は貴重な手がかりですが、記録と照らし合わせて確認することが大切です。

Q. 自分で調べていて行き詰まったら、誰に頼めばよいですか?

A. 専門的な判読や現地調査が必要な段階になったら、専門家に相談する選択肢があります。どこに頼むか迷う場合は、小田急くらしサポートの家系図作成サービスのように、窓口で相談を受けて専門家におつなぎする形のサービスを入口にする方法もあります。

先祖調査・家系図づくりを考えている方へ

家系図作成サービス

自分で調べて難しいと感じたら、まずは相談から。小田急くらしサポートが窓口となり、信頼できる専門家におつなぎします。