その他サービス

庭木処分はどうすればいい?自治体回収から業者依頼まで費用相場と方法を比較

袋に入れた剪定した庭木

庭の景観を整え快適な暮らしを維持するために、庭木の管理は欠かせません。しかし、「枯れてしまった木をどうにかしたい」「邪魔な木を伐採したけれど、その後の処分方法がわからない」といった悩みを抱えている方もいるのではないでしょうか。

庭木の処分は見た目の問題だけでなく、放置することで思わぬトラブルを引き起こす可能性もあり、安全面からも配慮すべきです。

この記事では、庭木の処分にお困りの方に向けて、処分方法や費用相場、そして処分を行う上での注意点を分かりやすく解説します。この記事を参考に、ぜひご自身の状況に合った最適な解決策を見つけてくださいね。

庭木の処分を先延ばしするリスク

庭木を切った後の切り株

庭木を伐採した後、その処分を先延ばしにすると、さまざまな問題が発生する可能性があります。切った枝葉や木材を放置することによるリスクを理解し、適切に処分する必要性を確認しましょう。

リスク問題
衛生面のリスク・放置された木材や枝葉が腐敗し、悪臭の原因になる
・虫や害獣の住処となり、害虫被害が拡大
・カビやキノコが発生し、アレルギーの原因になることも
火災のリスク・乾燥した木材や枝葉は非常に燃えやすく、火災の原因に
・夏場や乾燥した季節は危険性が高まる
・放火などの被害に遭いやすくなる
有害生物のリスク・シロアリの温床となり、家屋への被害が広がる可能性
・キクイムシなどの木材害虫が発生し、健康な木にも被害が及ぶ
・ネズミや蛇などの小動物が住みつく

さらに、自治体によっては、伐採した木を長期間放置していると、不法投棄と見なされて罰金や指導の対象となるケースもあります。また、時間が経てば経つほど木材は腐敗したり、虫が湧いたりして処分が一層困難になり、結果的に処分費用が高くついてしまうことも少なくありません。

庭木を伐採した後は、できるだけ速やかに適切な方法で処分し、ご自身やご近所にとって清潔で安全な環境を維持することが求められます。

庭木処分の方法5選

庭木を片付ける業者

庭木の主な処分方法は、以下の5つです。

  • 自治体のゴミ回収サービスを利用する
  • 資源リサイクルセンターへの持ち込み
  • 専門業者に依頼する
  • 不用品回収業者に依頼する
  • ウッドチップなどへのリサイクル

それぞれの特徴やメリット・デメリット、費用相場などを詳しく紹介します。

自治体のゴミ回収サービスを利用する

最も手軽で費用を抑えられる方法の一つが、自治体のゴミ回収サービスを利用することです。多くの自治体では、家庭から出る剪定枝や葉を可燃ゴミ(燃えるゴミ)として回収しています。

ただし、長さや直径などのサイズの条件や枝と葉を分別するなどの決まりがあるので、自治体のルールを確認することが必要です。指定のゴミ袋代以外は基本的に無料ですが、量が多い場合は一度に出せる制限があるため、事前に確認しておきましょう。

<自治体回収の一般的な条件>

条件一般的な基準
枝の長さ50cm以下
束ねた太さ直径10cm以下
1回2〜3束程度

各自治体によって回収ルールは異なるため、お住まいの地域の自治体ホームページや清掃センターに問い合わせて、正確な情報を入手することをおすすめします。特に、出せる日時や事前の申し込みが必要かどうかも確認しておくと安心です。

資源リサイクルセンターへの持ち込み

多くの自治体では、クリーンセンターや資源リサイクルセンターへの直接持ち込みも受け付けています。自治体の回収では出せないサイズでも対応可能な場合が多く、一度に大量処分したい時に便利です。

事前予約が必要な場合や持ち込み可能日時が限られている場合があります。処分費用は自治体によって異なりますが、無料〜1,000円程度が一般的です。運搬手段が必要なため、車やトラックの準備も考慮しましょう。

持ち込みの際は、通常、受付で住所確認などが行われます。また、木の種類や量によって費用が変動することもありますので、事前に問い合わせておくと安心です。自力で運搬できないほど大量の場合は、業者に依頼するなど別の方法を検討するとよいでしょう。

専門業者に依頼する

専門業者は、伐採から処分まで一括対応してもらえます。高所作業や大径木の伐採も安全に行えるメリットがあるほか、庭木の状態や希望に合わせた提案ができる点も魅力的です。

費用は木の高さや太さ、本数、作業の難易度、アクセス条件などで変わります。

<業者の費用相場>

  • 3m未満の小さな木:5,000〜10,000円
  • 3〜5mの中程度の木:10,000〜20,000円
  • 5m以上の大きな木:30,000〜50,000円程度

見積りは無料の業者が多いので、複数社に依頼して比較するのがおすすめです。伐採後の庭木を適切に処分する許可も持っているため、不法投棄の心配もありません。

不用品回収業者に依頼する

すでに自分で庭木を伐採し切った木や枝葉の処分だけを依頼したい場合には、不用品回収業者の利用が便利です。即日対応や休日対応可能な業者も多く、柔軟なスケジュールで依頼できるのがメリットです。

相場は、量にもよりますが10,000〜30,000円程度です。無許可業者に依頼すると不法投棄のリスクがあるため、許可証を持つ業者を選びましょう。基本料金、出張費、作業費、処分費などの内訳を確認し、追加料金がないか確認することも大切です。

ウッドチップなどへのリサイクル

伐採した庭木をウッドチップにリサイクルする方法もあります。

ガーデンシュレッダー(チッパー)という機械を使えば、枝や幹を細かく砕いてチップ化できます。家庭用の電動シュレッダーは20,000〜50,000円程度で購入可能です。

作られたチップは庭の雑草防止マルチングや堆肥の材料として活用できます。DIYが得意で処理量が少なければ費用を抑えられますが、機械の購入や作業の手間を考えると、量が多い場合はプロに依頼した方が効率的なケースもあります。

リサイクルの方法としては、チップ化の他にも、薪として利用したり、アート作品や家具の材料として再利用することも可能です。環境に優しい処分方法を検討したい方には、こうしたリサイクル方法もおすすめです。

自分で庭木を処分する方法と注意点

庭木の処分

自分で庭木を処分する場合、費用削減というメリットがある一方で、労力や安全面でのデメリットも考慮する必要があります。

メリットデメリット
・費用を抑えられる可能性がある(ゴミ処理費用のみなど)
・自分の都合の良いタイミングで作業できる
・伐採・解体・運搬に多大な時間と労力がかかる
・ノコギリやチェーンソーなど、専門的な道具が必要になる場合がある
・怪我のリスクがある(高所作業、重量物の運搬など)
・自治体ごとのゴミ出しルールが複雑で、処分に手間取ることがある
・大きな木や大量の枝葉の処分は難しい

自分の技術や体力、庭木のサイズや状態を正しく判断し、適切な道具と知識を準備することが成功の鍵です。まずは自力処分の基本を理解しましょう。

安全に伐採するための準備と道具

伐採作業では、安全確保と適切な準備が不可欠です。事前に必要な道具をそろえ、安全対策を講じてから作業に入りましょう。

<必要な道具>

  • 剪定バサミ(小枝用)
  • ノコギリ(手ノコ)
  • チェーンソー(大きな幹用)
  • ロープ(倒れる方向の誘導や固定)
  • はしご
  • ヘルメット
  • 保護メガネ・手袋・防護服
  • ゴミ袋、ロープ(束ねるため)

また、伐採前には以下を必ず確認しましょう。

  • 周囲に人やペットがいないことを確認
  • 倒す方向を決め、退避経路を確保
  • 電線や建物に接触するリスクがないかチェック
  • 作業は晴天の日中に実施(風の強い日や雨天は避ける)
  • 可能であれば、2人以上で作業し、緊急時に対応できる体制をとる

庭木伐採は危険が伴うため、準備や注意点の把握が重要です。万が一の事故を防ぐためにも、安全第一で臨みましょう。

効率的な切り方と分別のコツ

庭木の伐採は上から順に行うのが基本です。

<切る順序>

  • 下枝から順に枝を落とす(安全性と視界確保のため)
  • 上部の枝を慎重に切る(はしごやロープを使用)
  • 幹は50〜100cm程度の長さに切断

<分別のポイント>

  • 葉・細い枝:ゴミ袋へ(可能な限り小さくカット)
  • 太い枝・幹:直径10cm以下に束ねてロープで縛る

切った木は葉、細い枝、太い枝、幹と分別しておくと処分が楽になります。葉と細い枝はゴミ袋に入れやすく、太い枝や幹はロープで束ねると運びやすいです。自治体の回収ルールに合うサイズに切り揃えることも重要です。

作業後は落ち葉や木くずもきちんと回収し、周囲を清掃しましょう。

自力処分のリスク

どんな庭木でも自力で処分できるわけではありません。無理に作業を行うと、事故や大きな損害につながる可能性があります

<自分で処分すべきでないケース>

  • 木の高さが3m以上ある
  • 幹の直径が20cmを超える
  • 電線や建物が近い
  • 斜面や不安定な場所に生えている
  • 既に傾いていたり、腐食が進んでいる

伐採時の転倒・落下リスク、チェーンソー使用時の事故、伐採した木の転倒による建物損傷など、様々な危険が潜んでいます。伐採後の処分量が多い場合も、運搬・分別に大変な労力がかかります。

体力や技術に不安を感じる場合は、安全のためにプロの力を借りましょう。

庭木処分を業者に依頼する際のポイント

伐採した庭木をトラックへ搬入

庭木の処分を「自分でできるか」「業者に頼むべきか」で悩む方は多いでしょう。
ここでは、業者に依頼するメリット・デメリットをはじめ、依頼する際のポイントを解説します。

メリットデメリット
・伐採から処分まで一括で任せられるため、手間がかからない
・安全に作業してもらえる(専門知識・技術、保険加入)
・大きな木や難しい場所にある木にも対応可能
・適切な方法で処分してくれるため、ゴミ出しルールに悩む必要がない
・剪定や抜根など、関連作業も依頼できる場合がある
費用がかかる

適切な業者の選び方

庭木処分業者を選ぶ際は、以下のポイントをチェックしておくと安心です。

<業者選びのチェックポイント>

  • 造園業の資格や許可の有無
  • 廃棄物処理の許可証の有無
  • 詳細な見積書の提示
  • 口コミや施工事例、実績
  • 対応の丁寧さ、質問への回答の適切さ
  • 提案内容の具体性
  • 地元での施工実績

複数の業者から見積る際は、価格だけでなく対応の丁寧さ、質問への回答の適切さ、提案内容の具体性なども比較しましょう。

近隣での施工実績がある地元の業者は、地域特性に詳しく信頼できる場合が多いです。見積り時の応対の印象も選定基準として有効です。

処分費用の相場

庭木処分費用は大きく「伐採費用」「抜根費用」「運搬・処分費用」に分かれます。

作業内容条件相場価格/1本
伐採費用低木(高さ1.5m以下)3,000〜5,000円
中木(2〜3m)4,000〜7,000円
高木(3〜5m)8,000〜15,000円
高木(5m〜)15,000円〜
抜根費用直径30cm未満10,000〜15,000円
直径30〜60cm20,000〜30,000円
直径60cm以上40,000円以上
運搬・処分費用伐採費用の30〜50%

追加料金が発生するケースとしては、特殊な場所(高所・狭小地・斜面など)、重機使用が必要な場合、住宅や電線に近い状況などがあります。複数業者の見積りを比較し、どの作業に費用がかかるのかを明確にしておくことが大切です。

庭木伐採と抜根の違い

「伐採」とは木を地上部分で切り倒す作業、「抜根」とは切り株ごと根を掘り起こして取り除く作業です。

伐採だけだと切り株が残り、景観を損ねるだけでなくシロアリの温床になる可能性や、株から新芽が出て再生する場合もあります。

項目伐採のみ抜根まで
費用安い高い(追加費用)
作業時間短い長い
シロアリリスクありなし
新芽再生可能性ありなし

抜根はより費用と手間がかかりますが、敷地を完全に整地でき新たな活用が可能になります。庭の再整備を考えている場合や、根が広がって他の植物や施設に影響する恐れがある場合は抜根がおすすめです。

木の種類や庭の将来計画により選択しましょう。

庭木処分に最適な時期

高所の庭木を剪定

庭木の処分におすすめな時期を、時期を問わず処分を急いだほうがいいケースを解説します。

季節別の処分適期

庭木処分に最適な時期は、空気が乾燥する12月〜2月の冬季です。この時期は木の水分量が少なく、重量が軽くなるため作業がしやすいのが理由です。

また、落葉樹なら葉が落ちた状態で処分できるため、ゴミの量が少なく済みます。

季節適正理由
春(3〜5月)野鳥の繁殖期と重なる可能性あり
夏(6〜8月)×高温多湿で作業負担大、葉が茂り視界不良
秋(9〜11月)比較的乾燥している、台風シーズン前に実施が理想
冬(12〜2月)乾燥して軽い、落葉後で処理しやすい

処分を急いだほうがいいケース

庭木に以下の状況が見られる場合は、季節を問わず早急に処分を検討しましょう。

<緊急処分が必要なサイン>

  • 病気や害虫被害が確認された(葉の変色、幹の空洞化、樹皮の剥がれなど)
  • 幹や枝に亀裂や腐食が進行している
  • 台風や強風シーズン前に傾いている木がある
  • 電線や屋根に接触している、または近づいている
  • 根が地表に露出し家の基礎や配管に影響している

特に病害虫の中には周囲の健康な樹木に広がるものもあるため、早期発見・早期処分が重要です。また、シロアリ被害が確認された場合も、家屋への被害拡大を防ぐため早めに対処したほうがよいでしょう。

美しい庭づくりは適切な庭木処分から

庭木の処分は、単に不要になった木を取り除くだけではなく、安全で美しい庭づくりの第一歩です。適切な処分方法を選び、計画的に実施することで、将来のトラブルを防ぎ、理想の庭づくりへとつなげることができます。

自分で処分するか業者に依頼するかは、庭木のサイズや状態、自分の技術や体力、予算などを総合的に判断しましょう。小さな木で自信がある場合は自力処分も可能ですが、大きな木や危険を伴う場合は、安全のためにプロの力を借りることをおすすめします。

小田急暮らしサポートでは、庭木の伐採・処分に関する相談を無料で承っています。経験豊富なスタッフが、お客様のご要望や庭の状況に合わせた最適なプランをご提案いたしますので、お気軽にご相談ください。